煙突パンとは、ハンガリー発祥の菓子パンの一種である。煙突のような円筒形の生地にシナモンやチョコレートなどのトッピングをまぶし、中にクリームやアイスクリームなどを詰めたものである。煙突パンの正式な名前は「クルトシュカラーチ」というが、日本ではその形状から「煙突パン」と呼ばれるようになった。

煙突パンの歴史は古く、16世紀にハンガリー王国の貴族が食べていたという記録が残っている。当時は、木の棒に生地を巻き付けて焼き上げ、そのまま食べるか、蜂蜜やナッツなどをかけて食べるというものだった。19世紀になると、煙突パンはハンガリーの民族衣装を着た女性が屋台で売る光景が定番となり、祭りや行楽のお供として親しまれるようになった。
20世紀に入ると、煙突パンはハンガリーから周辺国へと広まり、各地でアレンジされた。例えば、ルーマニアでは「コバザグ」と呼ばれ、チーズやハムなどを入れて食べる。ドイツでは「バウムクーヘン」と呼ばれ、層状に焼き上げられる。オーストリアでは「プリューゲルクラッペン」と呼ばれ、ジャムやチョコレートなどを詰めて食べる。
日本では、2010年代に入ってから煙突パンが注目されるようになった。2014年に東京・原宿に日本初の煙突パン専門店がオープンし、その後全国各地に展開した。日本では、シナモンやチョコレートだけでなく、抹茶やキャラメルなどの和風のトッピングも人気である。また、中に入れるクリームやアイスクリームもバラエティ豊かである。
煙突パンは、見た目も味も楽しめる菓子パンである。ホットな生地とコールドな中身の温度差や、サクサクとした食感とふわふわとした食感のコントラストも魅力的である。煙突パンは、ハンガリーの伝統的なお菓子から世界中で愛されるスイーツに進化した。

