冬の風呂掃除は寒い、でもその後の……

冬の風呂掃除は寒い、と私はいつも思う。だからといって夏に風呂掃除をしようとは思わない。それはきっと夏も暑いからだろう。冬よりはましだけれど、暑いものは暑いのだ。
しかし今は夏ではない、一月である。いくら真冬であってもお湯に浸かれば暖かくなるというのに、どうしてわざわざ冷たい水で身体を冷やさなければならないのか。
もちろんそんなことは私だってわかっている。そうしなければならない理由があるのだ。だがそれがわかったところでやはり納得がいかない。お湯で十分ではないか、と思うのだ。
「……あー、やっぱり寒ぃ」
私は寒さに耐えきれず声を上げた。そして手に持つスポンジを動かす。洗剤を含んだ泡が排水溝へと流れていく様を見つめながら、もうすぐ終わるこの作業が終わったら何をしようかと考える。
とりあえずは風呂に入るべきだな、と考えたところで思い出した。まだ浴槽にお湯を張っていないことを。早くしなくては冷めてしまう。今すぐにでも蛇口を捻りたいところではあるが、ここは我慢すべきだ。まずは洗い場を全て終わらせてからでないといけない。
「それにしても……遅いなぁ」
浴槽にはまだ半分くらいしか溜まっていない。先程見たときはもう少しあったはずなのだが、どうやら時間がかかったようだ。仕方がないとはいえ少し待たされてしまうことになる。しかしそれもあともう少しのことだと思えば待てるものだ。よし、と気合いを入れ直して最後の力を振り絞る。そしてなんとか風呂掃除を終えた。達成感と共に全身から力が抜けていくような感覚がする。思わずその場に座り込みたくなったが、そこはなんとか堪えて浴槽にお湯を張ることにした。本当は疲れきったこの身体を癒すためにさっさとお湯に浸かりたかったのだが、そうも言っていられない。まずは綺麗になった床を拭いてからだ。濡れたままではいけないのでバスタオルを持ってきてその上に座ってから浴室へと向かった。そしてお湯が溜まり切るまで床をふき続ける。途中何度も手が止まってしまいそうになったがなんとかやり切った。そして浴室から出た後は身体についた水分をしっかりと吸い取ってから脱衣所に向かう。洗濯機の中に汚れてしまった服や下着を入れる前に一度臭いを確認してみた。今日着ていたものは全て洗うつもりなので特に問題はなかったようだ。そのまま入れてスイッチを押した。その後、自分の部屋に行き着替えを持って再び浴室へ。そこでようやく暖かいシャワーを浴びることができた。
「はぁ……」
気持ちよさにため息が出る。やはりお湯とはいいものである。身体だけじゃなく心までも温かくしてくれる気がする。
はあ、掃除した甲斐があるというものだ。

解決方法は、我慢する それに尽きる。しかしその後のお風呂は最高である。それでプラスマイナスゼロ